へいへい親父のブログ

趣味の山登り、野菜作りを中心に、初老を過ぎた親父が日々の記録を綴ります。

六甲全山縦走大会 2014 その3 (宝塚ゴール)

7. 一軒茶屋まで

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(写真は翌日ポートタワーから撮影したものです) 

 掬星台を出て、少し迷いながらも心地よい気分で進んだ。途中、小さい蛇を見かけた。アゴニー坂を下り、やがてサウスロードの分岐へと続く登り道へ。疲れた体に登りはつらい。何度か山道と車道の交差に出るが、アップダウンの負担の少ない車道を歩くことに。ちゃんと山道を歩く人もいて、感心した。霧が立ち込めて、視界が利かない。神戸の街もほとんど見えず、雨は降り続いていた。でも、北を見ると、雲海が見えた。標高も上がり、雲の上を歩いているんだと実感した。

 丁字ヶ辻、六甲山記念碑台付近を淡々と歩く。六甲山郵便局では、うわさに聞いた甘酒をいただく。熱々で温まり、疲れも和らぐ。途中のお店で腹ごなしをしている参加者も多く、なんだかのんびりした雰囲気。ゴルフ場ではプレーしている人も見かけず、さみしい限り。膝の痛みも出ず、ここまでこれば完走の可能性も高いと、疲れた中にも楽しみながら歩ける自分がいた。

 以前のトレーニングを兼ねた下見のおかげで道にあまり迷うこともなく、みよし観音を過ぎ、六甲ガーデンテラスへ到着。ここで縦走をあきらめてバスにて下山する風な参加者も見かけた。

 極楽茶屋跡以降はひたすら車道を歩いた。だんだん暗くなってきた。ヘッドライトを点け、一軒茶屋チェックポイントに到着したのは17:40。チェック時間まで後40分と、ぎりぎりのタイムであった。いただいた番号札は1400番ぐらい。8割の参加者が完走するとして、後ろに200人ぐらいか。でも、宝塚でのチェック時間は比較的余裕を持って設定されているため(残り5時間に対して、下見の時のタイムは3時間20分)、膝のトラブルさえなければ完走できるだろう。シャツを替え、一軒茶屋の自動販売機で温かい十六茶のペットボトルを買って、一息つく。Sさんにメールしたが、圏外でつながらず。

 

8. 宝塚ゴール

 

 一軒茶屋を過ぎ、東六甲分岐点を目指して車道を歩く。暗いし眼鏡に水滴が付いて視界が悪い。分岐点では、ボランティアの方々が案内してくれた。雨の中、本当にありがたい。宝塚まで後12km。時速4kmなら3時間だが、視界の悪さと足元の悪さからペースは上がらない。途中、立ち止まっている人や、進むか戻るか相談しているカップルの姿も。前後に全く人が見えない状態になったりしたが、前の集団に追いついて、ペースを共にすることに。ボランティアの方が船坂峠などの適当なポイントで案内してくれていたり、危険な個所をエスコートしてくれたりしていた。

 途中、大平山の車道に出たところで、ボランティアの方の車で下山する参加者もいた。道端に座り込み、休憩している人も多数。私も座り込んで少し休憩。雨はまだ降り続いている。この先は下りが続くため、滑りやすくてストックが無いと厳しいだろう。再び山道に入る。ペースを上げて進むが、船坂峠、大谷乗越と急な坂もあり、「こんなに厳しいの!」とボランティアに愚痴を言う人もあり。「もうこの先は、それほどでもない、ルンルン道だよ。楽しいことを考えなきゃ!」と答えてくれた年配のボランティアさんに勇気づけられ、数珠つなぎになった参加者は少し笑いつつひたすら進んだ。まさに修行である。

 雨は降っているものの、それほど寒さは感じない。直前に用意した雨具の効果に助けられた気がする。途中で見えた宝塚の街の明かりに勇気づけられ、塩尾寺前の滑りやすい窪みの道を抜け、塩尾寺に到着。激しく降る雨の中、座り込んだ。携帯電話をかけるものの、つながっても回線の具合が悪いのか、会話ができない。結局Sさんたちとは今日は会えないだろう。

 重い腰を上げ、塩尾寺を出発。既に21:00だが、タイムラインは22:40なので、まず間に合うだろう。しかし急なアスファルトの坂道で、膝の痛みを感じ始めた。急な階段を下り、甲子園大学を過ぎて宝塚の街を下る。川沿いの道を駆け上がってくる、中学生の男の子がいた。「若いねー。」の声が上がる。やはり若さにはかなわないね。40代という年齢を痛感。

 見覚えのあるインド料理店の看板を過ぎ、「ゴール」の看板が目に入った。マジで泣きそうになる。大通りに出て公園の階段を上がり、とうとうゴール!21:40着。実に16時間40分の道のりであった。賞状と盾をいただき、リボンを返す。家族にも無事ゴールのメールを入れる。まだまだ参加者も多く賑やかである。少しベンチで休憩したのち、コンビニで缶ビールとフランクフルト(タンパク補給のため)を買って武庫川に架かる宝来橋を渡った。

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 駅前では、甲子園大学の学生さんを中心としたボランティアの方のお出迎えを受けた。うれしさもひとしおである。豚汁などのサービスがあり、アンケートの答えながら、ゴールした参加者と健闘を称えあった。ハバタン?という着ぐるみのマスコットと写真を撮ってくれるサービスがあり、ゴールの横断幕とともに写真を撮ってもらった。良い記念になった。

 足の痛みもそれ程でもなく、普通に階段も歩けた。ずぶ濡れ、泥だらけの姿で阪急電車に乗る。元町で降り、セブンイレブンで夜食を買い、ホテルへ戻った。今日のホテル代を払い、ようやくリュックサックを下した。Sさんとは連絡がとれ、翌日ランチを食べる約束をした。

 

9. エピローグ

 

 翌2014年11月10日(月)は、快晴であった。朝、ポートタワーに登り、メリケンパークを散策、阪神淡路大震災の記念施設を見て感慨に耽った。ホテルのチェックアウトは10時だった。三ノ宮駅までの送迎バスでは、縦走に参加したという2人連れの女の子と労いの言葉を交わし、それぞれの行先に分かれた。

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